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【15時17分、パリ行き】配信VOD比較

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作品概要

2005年8月21日にアムスエルダムからパリへ向かう高速鉄道タリス内で発生したタリス銃乱射事件を実写映画化した作品。アメリカでは2018年2月に公開され、日本では2018年3月に公開されました。

乗客554名を乗せた高速鉄道タリス内でイスラーム過激派の男が大量の銃を持ち込み、無差別テロを決行。5人の勇気ある男性たちによって死傷者を1人も出すことなく、犯人が取り押さえられることができた当事件。

のちに「非常事態において偉大な勇気を示した」としてフランスのベルナール・カズヌーヴ内務大臣によって讃えられ、フランス政府からレジオン・ドヌール勲章が授与されるなど、多くの称賛の声を集めました。

この実際の事件を扱った本作品は、「硫黄島からの手紙」や「ハドソン川の奇跡」などを手掛け、アカデミー賞やゴールデングローブ賞などの名だたる賞を何度も受賞している映画界の巨匠クリント・イーストウッドが監督を務めています。

近年では「アメリカン・スナイパー」や「ハドソン川の奇跡」などノンフィクション映画を制作することが多いクリント・イーストウッドですが、本作品では単純なノンフィクション映画の枠を超え、事件の当事者たちを主演として据えるなどの技法を使い、究極のリアリズムを追い求めた作品として知られています。

あらすじ

2005年8月21日、15時17分。オランダのアムステルダムからフランスのパリへと向かう高速列車タリスの車内で武装したイスラーム過激派の男性が無差別テロを決行。偶然乗り合わせていた米空軍兵のスペンサー・ストーンを始めとする男性たちによって犯人が取り押さえられ、事件は大惨事を迎えることなく解決されました。

本作品は、高速列車タリスに偶然乗り合わせて事件を解決まで導いたスペンサー・ストーンと、その友人でオレゴン州兵のアレク・スカラトス、そして同じく友人のアンソニー・サドラーの少年時代から物語が始まります。

少年時代、公立学校から厳格なキリスト系の私立学校へと編入したスペンサーと幼馴染のアレクは厳格な校風に馴染むことができず、校長先生に目をつけられるほど問題ばかりを起こしていました。

そんな時、同じく公立学校から編入してきたアンソニーと出会い、3人は友人となります。

私立学校に馴染むことができない者同士、急速に仲を深めていった3人でしたが、親の都合などによって3人は別れることとなってしまいます。

その後、大人になったスペンサーはアメリカで空軍兵となり、アレクはオレゴン州兵、アンソニーは大学生とそれぞれの道を歩みだします。

道は異なり始めた3人でしたが、少年時代に結んだ固い絆は切れることがなく、テレビ電話でお互いの近況を報告し合う間柄となっていました。

こうして関係を続けてきた3人は、久しぶりの再会と旅行を兼ねてヨーロッパへと向かうことを計画します。そして、このヨーロッパ旅行の最中に彼らの運命を変えることになる事件は発生するのです。

登場人物

・スペンサー・ストーン/役:スペンサー・ストーン
本作の主人公。テロ事件に立ち向かった人物の1人。

アメリカ空軍のパラレスキュー隊に入隊を志望するも、奥行き知覚の検査で不合格だったことから夢を挫折。SERE指導教官でも落第となったため、空軍基地で防衛手段と救急を習い始める。ここで学んだ柔術や応急処置の知識を活かし、テロ事件においては犯人の逮捕と人命救助に大きな貢献をした人物。

・アレク・スカラトス/役:アレク・スカラトス
テロ事件に立ち向かった人物の1人。

スペンサー・ストーンの幼馴染で母親と2人で暮らす。のちに父親に預けられることとなったためスペンサーとは別れることとなる。オレゴン州兵であったことから、テロ事件においては武器の隔離や犯人の捕獲、混乱している乗客を落ち着かせるなどを迅速に行った人物。

・アンソニー・サドラー/役:アンソニー・サドラー
テロ事件に立ち向かった人物の1人。

キリスト系の私立学校に転校したことでスペンサー・ストーンやアレク・スカラトスと出会う。のちに他の学校へ転校することになったため、2人とは別れることとなる。3人の中では唯一の学生であったが、テロ事件においては負傷した乗客の応急処置の手伝いや近くにいた乗客のケアなどに尽力した人物。

感想/ネタバレ

(巨匠が極限まで突き詰めたリアリズム)
これまで「アメリカン・スナイパー」や「ハドソン川の奇跡」など実話のヒーロー譚を描き続けてきたクリント・イーストウッド。

リアリズムにこだわってきた彼が描き出す本作品は、リアリズムの極限に到達した作品になったといえます。

なぜなら、主人公のスペンサー・ストーンを始めとしたテロ事件の当事者のほとんどが本人による演技となっているからです。

加えて、撮影も実際に事件が起きた列車で行われるなど、徹底したリアリズムが追求された作品となりました。

また、脚本においても真実と確定できない部分についてはカットするように作られており、事件当時の状況をリアルに感じることができます。

(英雄は生まれながらにして英雄ではない)
本作品では94分という短い上映時間の中で、大部分をテロ事件に立ち向かった青年たちの生い立ちを描くことに費やされています。

いじめられっ子だった少年時代から夢を描くようになり、挫折を繰り返しながらもそれぞれの道を進んでいく青年たち。その姿は決して英雄と言えるものではなく、どこにでも溢れている若者の姿でした。

544名の乗客を救った英雄たちは、生まれながらにして英雄だったわけではない。世界中でテロ事件が発生する今、誰にだって当事者となる可能性があり、自分たちの命は自分たちで救わなければいけないのです。決して他人事ではない当事件を、本作品でぜひお確かめください。

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